筆記の合格発表&面接

京大化学専攻は試験の次の日に筆記試験の合格発表がある。受験者が110人程度しかおらず、問題数も少ないので、人数をかけて採点すればすぐに結果が出せるのだろう。院試だと大学受験ほど採点ミスなどによる社会的反響がないのもすぐに発表できる理由の一つだろうか。

落ちてたときにとぼとぼと帰らるのが恥ずかしいので、発表から30分遅れくらいで、時間をずらして見に行く。受かっていて一安心。他の友達も気になるが、知り合いはみんな受かっていたようだ。

面接は普通スーツで行くものらしい、と言う話を聞いていたが私服で行ったら、もちろん、みんな私服だった。スーツの人もちらほらいたが、外部受験の人たちだろう。スーツで行くと浮くところだった。危ない危ない。まー、そもそもスーツ持ってないんやけどね。

面接は十何番目かだったので、1人5分としても1時間待たなければいけない。めんどくさいなー、と思っていたら、20分ほどで順番が回ってきた。かなり早い!生化学系のグループの面接はじっくりやっているっぽいが、理論化学物理化学系(?)グループはすばやくやっているっぽい。性格の差が現れているのかもしれない。

なんだかんだで自分の番。面接官は10人くらいいた。そういえば面接と言うものを体験するのは生まれて初めてだ。顔を見たことのある先生も、研究室の指導教官だけだし、何か不思議な雰囲気だった。
物理系から見て問題はどうでしたか、って言う感じのことを聞かれたから、京大化学専攻の院試問題は物理っぽい問題ですね、と言ったら笑っていた。
英語はどうでしたか、と聞かれたので、「4月までは全くできなかったが、この3ヶ月に一生懸命勉強したので、勉強の成果は出たと思います」と言うと、別の教官が、成績っぽいものを見ながら、「京大にはこういうタイプの学生さんがいますからねワハハ」と笑っていた。この大学は、語学ができなくても許される雰囲気が良い。とは言っても、最近の勉強のおかげで、英語の得点は5倍くらいはあがったはずなので、許される程度の悪さにまで回復していたのかもしれない。
最後に指導教官から、「まあまあ良かったよ」と言われたので、「英語がですか?」と聞きかえすと、「いや、英語は良くない」とぶっちゃけられてしまった(^^;

面接の発表は1週間待たなくてはいけない。まあ、面接で落ちたらそれはそれでしょうがない。寝て待つことにしよう。

今日は院試。疲れた。

明日、早くも筆記の発表があるのだけれど、かなり五分五分な感じ。専門科目はできたが、基礎科目と英語はよくないだろう。(公表されていない)配点方法次第だな。

化学の試験だとしょうがないのかもしれないけれど、手をすばやく動かせる能力と、ミスをあまりしない能力を試される試験だった。頭を使って考えたら(時間切れで)負け、っていうのは高校までは当たり前の試験制度だったけれど、4年も遠ざかっていたのでうまく適応できなかったようだ。どちらかと言うとじっくりと考えることの方が得意なので、そういうところを試して欲しかった。

それらをおいておいても、落ちてても受かってても、こんな短期間に一つの分野のことをまとめてある程度しっかり学べたというのは非常によかった。「活量」「理想溶液」「標準電極電位」「ランベルトベールの法則」「ヒュッケル法」「フランクコンドンの原理」「赤外活性」「マーデリング級数」などは、2ヶ月前には聞いたことすらなかった基本用語だ。院試制度さまさまである。また、化学系の友人と一緒に院試勉強できたことで非常に効率よく学べた気がする。SとMには本当に感謝!!

よかった反面、この一月半は本当にしんどかった。こんなに勉強したのは、質、量ともに生まれて初めてかもしれない。比較対象になるとしたら小学六年生の夏休みだろうか。あのころは、本当に勉強が楽しくて楽しくてしょうがなかったものだが、今の俺は、勉強に飽きることを覚えてしまった。当分、化学の勉強はしたくない…。

勉強は三日くらいしたくないので、気分を変えて、ずっと読みたかった朝永さんの量子力学でも気楽に読もう。本当にしっかりした(昔の)人が書いた量子力学統計力学の著作には、化学で勉強したことがいたるところに出てくるというのがまた面白い。しばらくは化学とはこういう付き合い方をしていきたい。

大学一年生の物理

http://ace.phys.h.kyoto-u.ac.jp/~hisao/lecture/kisoronA.html
このレポート問題面白いなあ。俺もやってみようかな。
最後の問いとか、全く問題ないように思うんやけどな。難しいな。
1番は、あんなふうに出題するより、噴水の形を求めさせる問題とかにした方が楽しいかも。どちらにしろ、大学一年生に出題するにはいい問題やね。受講者は減りそうやけど。

科学常識

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050501-00000401-yom-soci

うーむ。日本は正答率が54%なのか…。と思って、よく見たら、正誤問題じゃないか!全部○と答えると、11問中、6問正解で54%…。つまり、日本人は科学常識がほぼ皆無のようだ…。(もちろん、この調査がどのような母集団で行われたのか、など、突っ込みどころが多い統計なのだけれど、それでも、一定数の日本人の認識がこの程度、というのはひどすぎる。)

非平衡統計ゼミ(第一回)

『岩波現代物理学の基礎[第二版]5巻、統計物理学』5章から8章(長いな…(^^;))を使ってゼミを始めた。今日の担当はさがわ。§5.1〜5.3をやった。
(マルコフとは限らない)一般の確率過程では、はじめの状態を用意するときに少し注意した方が良いようだ。
ブラウン運動のように、拡散方程式を満たす運動は、その遷移確率も拡散方程式を満たす。拡散方程式は時間について一回微分なので、マルコフ的である。(初期条件として分布さえ与えればよいので。)同様に、一回微分であるシュレディンガー方程式がマルコフ的であることは、来週の経路積分ゼミにも関連する話である。

3限、ファインマン経路積分論文

6節、経路積分からシュレディンガー方程式を導く話。5節で経路積分の方法で導入した波動関数は、作用の足し上げの形で書かれる。微小時間後の波動関数を差分の形で表すと、波動関数の時間発展が得られるはずである。
ここで、作用はラグランジアンの時間積分なので、位置と速度の関数である。ラグランジアンL= mv^2 / 2 + V(x)において、速度部分は2乗なので、ガウス積分が実行できる。位置については積分できないので残る。
結果、i \hbar d \psi /dt = -\hbar ^2/2m \times d^2 \psi /dt^2 +V(x) \psiという、速度は積分されているが、位置では積分されていない(xの関数になっている)方程式が現れる。

ただし、この議論はデカルト座標だからうまく言ったわけで、経路積分は一般化座標ではダメになる。水素原子が最近まで経路積分で解けなかったのは、この辺に理由があるらしい。