田崎さん

俺は物理学者田崎さんのファンなのだが、初めて田崎さんに会った。
昨日まで東京で用事があり、たまたま月曜2限に駒場でやっている田崎さんの授業にもぐる時間があったのだ。
授業は「繰り込み群の視点」ということで、今日はロジスティック写像に表れる普遍構造の話だった。
ノートに書き留めたことと、記憶から抜粋しよう。

  • 昔、レポートに「97点下さい」と書いてあったことがあったが、言われた点をそのまま付けるということはありません。昔僕が取っていた折り紙の講義は、「最終的な評価は自分で付ける」というものだったのでそれと混じったのでしょう。
  • 不安定なやつが一人いても、普通物理的には観測にかからない。
  • 数値計算をやると一つの各論で終わってしまう。数値計算をやりながらも不変な構造を探す、というのが大事なんです。
  • 「チョー安定」というと若者言葉ですね。「超安定」です。
  • 教科書にはnの場合が載っていますが、自分でやるときは、n=1,2,3とやってみると、その先のイメージは不思議とシャーっと通じるんです。
  • (間違いを指摘されて)こうやってつっこまれるとゾワゾワーっとしますねえ。教師をやってて面白い瞬間ですねえ。
  • (間違いを指摘されたがやはり合っていて)やっぱりちゃんとなりますね。どうだ見たか。ワッハッハ。

面白かった。
その後、講義について質問しに行ったら、講義のミソを教えてもらえた。ってか、講義でミソを言わなかったじゃん(笑)
みんなが質問していたので30分待ってから立ち話。
書かない方がいいのかも知れない話は書きません。

  • (先生、と呼んだら)先生とは呼ばないで下さい。田崎さん、で良いです。
  • 東大生は東大院へ、京大生は京大院へ、という流れは不健康。よどんでしまう。しかし、僕は本郷から本郷へ行ったから、説得力が無いなあ。
  • 学習院大学の理論物理へは行けないことはない。むしろ、部屋は広い。(だって誰もいないんだもん。)
  • 学習院大学は良い先生が多いけど、たまたまかな、と思っていたら、どうもそうではない。非常にプライドの高い人事をしている。例えば有名な先生が退官されたら、その分野の(少し劣る)人を持ってきてもいいのに、一億円位する研究装置を全部捨てて、全く違う分野の良い教授を呼んできたりする。
  • 熱力学の本は恥ずかしくてあまり見ないんですが、読んでみるとなかなか良いことが書いてあるなー、とか思います。(自分で言うなよ(^^;)
  • 熱力学の本のは、ちょっと仕掛けがしてあって、熱力学だと思って手に取ったら本当は熱力学とはちょっと違うことが書いてあるんですね。